2011年7月30日土曜日

東海道 新風景:山口晃・竹﨑和征

見に行った日:2011.7.30


会期:2011.4.24〜8.30
会場:ヴァンジ彫刻庭園美術館


竹﨑さんの作品は初めて見た。小さなTVと冷蔵庫と、ごちゃごちゃといろんなものが置かれたインスタレーションと、壁に数点の平面作品。ペイントもしているけど、コラージュみたいな感じ。大きな彫刻がどーん、どーんと置かれているこの美術館全体の展示とはまったく異質で対照的な感じだけれど、整然としていない、ということが、何か、ほっこりとした安心感というか、気持ちをラクにさせてくれるようだ。

山口さんは、この展覧会のために、わざわざ三島の街を訪れて、その上で、三島のどんな情景を描くかを決めて制作したそうだ。1点を除き、新作ばかりだ。捕まえどころが上手いんだなぁ、とそれらを見て思う。

新作でなかった1点も、普段はこの美術館の近くにあるがんセンターに飾られているもので、なかなか見る機会のないレアなものだ。がんセンターに置かれるということで、病人の登場人物がいる。大きな作品でそこに緻密に描かれているので、見応えはたっぷり。こんな楽しい絵があるがんセンターなら、通っちゃうかも。

そうそう、この、がんセンターのための絵が展示してある部屋にもうひとつ、作品キャプションがあった。部屋の奥の方に椅子が置いてあり、「ここに座ると「見立て富士」が見えます」というような説明が添えられていた。椅子に座ってみた。視界を探すが、はて? 「見立て富士」はどこに?? しばらく座って、あちこち眺めてみるのだが、それらしいものは見当たらない。というか、どんなものなんだ? ともかく作品らしいものは目に入ってこないし、わからない。降参だ〜。

そのまま諦めて帰ろうと思ったが、やっぱり気になる... 思い切って、さっき、絵の解説をしてくれた館の人?ボランティア?どういう人かわからないけど、その人に聞いてみた。そしたら教えてくれましたよ..
「えっ、そんなところに...」
教えてもらって、改めて力が抜けた。これがわかんなかったのかー。と、謎が解けてすっきりした一方、ちょっと凹む。わかってしまえば「なんで気づかなかったんだろう」というような場所だった。やられました。全面降伏!


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