2011年1月9日日曜日

山口晃展 東京旅ノ介

見に行った日:2011.1.8


山口晃展 東京旅ノ介
会期:2010.12.28-2011.1.10
会場:銀座三越8階催物会場
入場料:500円

会期終了間際ということもあり、とても混雑していた。老若男女を惹きつける魅力があるんだなと改めて思うほどに、観客の層が広い。いつの間にかこんなにポピュラーになってしまったんだ、この人は。

細かく描き込まれた絵は、ついつい近寄って見入ってしまう。見れば見るほど発見があり、風刺も効いていて、素直に見ていて面白い。あり得ないような風景であっても、見る側はそんなに気にせずに受け入れてしまう。形式的には昔の絵巻物のようなスタイルだけど、内容的にはラディカルで「現代美術的」だと思うんだが。「わかりやすい」というか、「とっつきやすい」んだな、きっと。

「露電」と称して、谷中辺りに路面電車を走らせるアイデアを描いたものなどは、アートではなく、実際の提案としても面白いものだと思った。絵で描くならばどんなアイデアだって実現可能。それはまさにフィクションの面白さ。

後半、「電柱の美」 についてのテキストとインスタレーションで構成された空間が妙にゆとりがあって、それまでの平面作品を見てきた空間の密度と落差がありすぎな感じ。こんなにスペースあるんなら、平面の作品をもっとゆったりと見せてくれたら良かったのに。
というか、最後の空間で、展覧会としてのテンションが下がっちゃった感じがしたのだ。こういう会場に、展覧会としてのテンションを求めるのが無理な話だとは思うけれど。

今度はどこかの美術館でビシッとした展覧会として観たいなあ。

0 件のコメント:

コメントを投稿