2011年8月13日土曜日

堀浩哉展「起源—naked place」

見に行った日:2011.8.13


会期:2011.7.20〜8.20
会場:ミヅマアートギャラリー



「記憶するために記憶する」と繰り返し書き付けられたペインティングからは、何やら執念のようなものが溢れ出してくるようだった。堀さん本人から凝視されたらたいていの人は、もはや目をそらすこともできず、その場から動けなくなるだろう。作品もまるで本人がそこにいるようなたたずまいだ。私はしばらくその絵から目を離すことができなくなり、その場に立ち尽くしていた。

見そびれたパフォーマンスの映像も上映されていて、最初から最後まで見ることができた。映像で見ているだけですんごい迫力である。やっていることは変わらない。今回はロープで身体をぐるぐる巻きにしていたが、以前パフォーマンスを見たときは、テープでぐるぐる巻きにされてたような記憶がある(笑)。これくらい徹底的に同じことをやり続ける、そのエネルギーに驚愕する。そして残念なのか幸せなのかわからないが、この人に「もう、よろしいんじゃないですか」とは言えない現実がある。この人の問いかけることは未だに有効だからだ。問いかける内容も問いかける態度も、この人以上にきっちりと力強く、粘り強い人を私は知らない。

「お前は何をしている? どう生きている? 何に縛られている? 縛られてても歩け!前に進め!」

そんな声が聞こえて、また、私は答えに詰まる。毎回、今度はちゃんと答えられるようになろう、と思っているのに。宿題を終えることができなかった小学生のようにしゅんとしなだれて、ギャラリーを出て歩き始めると、前方から堀さん本人がやってくるではないか。しかし、声をかけ損ねてしまった。だって、宿題終わってないんだもん(笑)メッセージはビンビンに受け取っているので、堪忍して〜、と心の中で叫びつつ。

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